【アラサー東大大学院生】「友人ゼロ」修士1年目からの脱却奮闘記

POSTGRADUATE UTOKYO

ご無沙汰しておりました。仕事、研究、家庭で忙殺の日々で(そして色々あって再び海外移住をすることになり)ブログになかなか帰ってこられませんでした。

研究生活はというと、修士1年目は音速で終わってしまいました。

自分で選択したこととはいえ、フルタイムで社会人をしながらの研究は大変で、自分を律して限りある時間を使う難しさを痛感しています。睡眠欲に負けて期限ギリギリまで課題をやっていることなんてザラでした。そして恐ろしいことに修士2年目も残すところ3分の2。今は修論執筆に向けたデータ分析に奮闘中です。

さて今更ですが今回は、修士1年目に経験したオンライン院生生活について振り返ってみたいと思います。COVID-19拡大がなかなか落ち着かず、今後の大学院進学を考えている方のなかには不安を抱えている方もいるかと思いますが少しでも参考になればと思います。

アラサー社会人が”大学院進学”に期待していたもの

そもそも振り返ってみれば約2年前、2020年夏の時点ですでにCOVID-19の影響が拡大しており、院試形式も異例の完全オンライン化になっていました。詳しくは以下から。

当時から「コロナ禍で入学後もどうなるか…」という状況でしたが、そのときから修士に入るひとつの期待は“ネットワーキング”でした。というのも、社会人になって自分へのインプットの終わり=社会への提供価値の低下を痛感していたため、自分本位の見方ではなく新しい視点を得ることで豊かになれるのでは、と思ったことが修士進学のきっかけだったからです。なかでも同じ課題意識をもって奮闘する研究仲間と出会えることは本当に楽しみで。一番重要なことは「いかに自分自身が研究に向き合うか」ですが「意外な人の出会いやアドバイスで新たな視点を得ること」にも大きく期待していました。

非対面コミュニケーションが主となった修士1年目を終えてみると、当初思っていたこととの違いも沢山ありました。この記事ではそんな”オンライン大学院生活”を振り返ります。

オンライン研究生活で私が”下手”だったこと

基本的には授業も研究室も、オンラインで顔を合わせることができたので最低限のネットワーキングはできていました。しかし、とにかく「必要なこと」しか話さない。相手を知るタイミングもなく本題へという流れが固定化してしまい、逆にそこが無くても課題やプロジェクトが完遂できてしまうことへの不思議がありました。修士1年目はグループワークの必修授業が多かったのですが、「目的」に一直線な議論が多くなってしまったのが反省です。

しかし一直線とはいえ、この「目的」自体を複数人で共有するところが一番難しく、結局分かりあえず終わってしまった議論も多かったかもしれません。海外の留学生も来日できずオンラインのまま。グループワークで一緒になる学生は20代前半が大多数。「上手くやろう」癖が身についてしまっている社会人大学院生にはなかなかハードモードな展開でした。結果、各専門領域を持つ学生と学際的に議論を構築し、成果に結びつけることには個人的にはかなり苦戦しました。最大公約数的な平凡な着地になってしまうプロジェクトも多かったことが反省です。

「目的」、換言すると「研究で目指す価値」にあたる部分がぶれると総崩れですね。私は研究者としても初心者なので、なおさらここをオンラインで固める作業がきつかった。

総括するとオンラインのプロジェクトで成果を出すことに苦戦&友人と呼べる人もできずという修士1年目でした。あれ、院生生活下手すぎない?

友人ゼロからの脱却、その転換点は?

一言でいうと自分の関心に閉じたネットワーキングをしないこと、これが脱却の転換点でした。

進学当初は「意外な人の出会いやアドバイスで新たな視点を得ること」を求めていたにも関わらず、修士1年目ではどこかで自分の研究を肯定してくれる人、関心領域が似ている人とのネットワーキングを求めてしまっていたように思います。プロジェクト毎に研究仲間と一緒に「研究で目指す価値」を構築していくことをさぼっていたのかもしれません。

何かすでにある価値に置きに行っていたような自分も反省しました。そもそもすでにある価値に合わせても面白くならないのは自明なのにも関わらず、です。もちろんすべての社会人学生がとは言いませんが、これは越えなければいけない壁なのかも。

こうして自分のマインドセットの問題、加えてオンライン環境を言い訳に木を見て森を見ない、利己的なネットワーキングをしていたことも気づいたところで、一気に友人関係や研究プロジェクトの展開が広がってきました。副指導教官の先生のゼミも毎週参加したり、授業で一緒になったメンバーと課外で研究の相談をしたりしていくうちに、ぐぐっとネットワーキングが広がりました。

修士2年目の今となっては、鋭く厳しい研究アドバイスをくださる先輩や情報交換できる研究仲間も増えて、イメージに近い院生生活を送ることができています。

オンラインの院生生活で当初目的としていたネットワーキングが進まないことに不安もありましたが、自分の姿勢次第でいかようにも広がることを実感した修士初年度でした。

というわけで、今回はマインドセットに寄った経験談になってしまいましたが、また具体的な院生生活ハック、海外生活などについても記事にしていきたいと思います。

それではまた!

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