社会人大学院に合格するまで②:コロナ禍の大学院試準備

POSTGRADUATE UTOKYO

前回記事にしたこちらの続きから、お話できればと思います。

社会人大学院に合格するまで①:海外大学院か、国内か?
イギリス在住中に大学院進学を決意しました。社会人大学院生のキャリアを歩むにあたり「どのように大学院を選んだか」をテーマに、検討した海外大学院や院試のタイムラインをどう考えたのかなど赤裸々にお伝えします!キャリアを考えなおす方のヒントになればと思います。

「そもそもなぜ社会人から大学院進学を目指したのか」「どう志望校を選んだか」に焦点を当てていますので、ご関心ある方はこちらも読んでいただけると嬉しいです!

さて今回は、コロナの影響で異例の変更だらけだった院試の「準備期」について体験記をまとめます。

1. 【院試8か月前~】 情報収集で方向性を固める

2020年は日本国内の大学院の受験に集中するというタイムラインを引いていたので、まずは志望する大学院の情報収集をはじめました。志望校の修士課程に在学中、卒業生の知人を3人ほど紹介していただき、(当時はまだイギリスにいたこともあり)オンラインで情報収集を行っていました。

相談にのってくださった方も社会人と研究の両立でお忙しいなかでしたが、親身になってアドバイスをいただけたこと…本当に感謝です。

この時期に知りたかったことは、以下でした。

  • 大学院の社会人枠の受験について
  • 在籍中の社会人大学院生同士の関わり方について
  • 院試までの準備スケジュール(どのタイミングで指導教官にタッピングするか等)
  • 研究計画書の内容と(ざっくり)構成の相談

社会人と並行して大学院に通いたいという希望があったので、情報を集めるなかで具体的な研究生活のイメージが湧いたことが一番良かったです。

ただ、「研究室(指導教官)次第」ということも明らかになりました。(もちろん自分主体でやり遂げることが第一ですが、その環境もしっかり選ぶべきという意味で)

指導教官候補となる先生方の研究内容、論文、書籍などリーチできる情報に触れながら「研究の問い立て」と「それを研究するにはどの研究室が良いのか」を早い段階で決定しないといけないという課題が浮き彫りになったのもこの時期です。

2. 【院試6か月前~】 研究計画を練り始める

研究にあたっては「問い立て/仮説立て」が最も重要といわれる通り、ここを練るのに途方もなく時間がかかりました。(そして入学後もなお、先行研究レビューと並行して練り直しています…)さらに研究意義と「それをなぜ私が研究するのか」という意味付けが腑に落ちるのに、何度も何度も思考を繰り返すので、軽くうつ状態になっていました。笑

私の場合、夫が日本でも修士号を取得済みで、さらにイギリスでもダブル・ディグリーで修士号を取得していたこともあり経験豊富だったので、研究計画を詰めまくられ…。人格否定をされているわけでは全くないのにそんな気すらしてきてしまい、気持ちも不安定になっていました。

でも振り返ると、実はこの「家庭内鍛錬」が院試準備で一番役に立ったと思います。そして研究計画を練る中で、このあと2年間を本当に研究に捧げられるのかという覚悟も決まった気がします。

3. 【院試2か月前】  希望の指導教官にアプローチ

本当はできるだけ早くアプローチするに越したことはないかと思いますが、私は研究計画書がなかなか固まらなかったため、このタイミングとなってしまいました…。

教授の方針にもよりますが、メールなどで連絡して個別に時間をいただく際には研究計画書を用意するのが礼儀となるかと思います。(凝縮版にしてA4サイズで2枚程度でもよいかと)

夫にも「研究計画書は名刺代わりだよ」とアドバイスもらいました😉

私の場合は、

  • 研究計画書の口頭説明
  • その上で研究内容が研究室で学べるものかどうかの確認
  • 研究室見学(オープンゼミ)の参加意思表明、院試までの今後の進め方の相談

という構成で、第一志望の指導教官に時間をいただきました。

これまた指導教官の先生の方針によりますが、院試の公平性の観点から研究計画書に対する具体的なアドバイスはいただけないという前提だったので、受け身で相談にのっていただくというよりは希望する研究室の妥当性を確認するためのステップとしました。

振り返ると、このあと院試の選考書類として指導教官の希望書(理由の記述)を用意することになるのでここで妥当性を確認できているというのは大きかったと思います。

直接的な指導はいただけないものの、やりとりのなかで研究計画の穴も見えましたし、研究に価値がありそうかという客観的なコメントをいただくこともできたので、本当に貴重な時間になりました。

コロナ禍の大学院試準備はまわりの動きも見えづらく、情報もしっかり自分で取りにいかないといけないかと思いますので、希望する指導教官へのアプローチはより意義のある位置づけになると考えます。

4. 【院試1か月前】  オンラインの研究室見学

さてさて、コロナ禍の大学院試準備で最も大きな変化だったのは研究室見学、いわゆるオープンゼミのかたちが変わったことでした。欲を言えば、研究室の雰囲気を直接感じたり、オープンゼミ後に学生さんの生の声を聞いたりしたかった…です。これは本当に。

研究室にもよりますが、普段通り開催されているゼミに同席させていただいて、最後に受験生からQAを受け付けてくださるというかたちが多いようです。

これがオンライン開催になったため伝わるものの「肌感」の限界はありましたが、画面上である分、教授、ゼミ生さん、他の研究室志望者さんのコミュニケーションを客観的に落ち着いて見ることができた点はオンラインならではだったと思います。

私の個人的な経験ですが、ひとつ面白かったのは志望者側の顔出しが任意だったことです。

とはいえ同席させていただくのだから皆さん普通に顔出しするのかと思いきや、志望者側で画面ONにしていたのは私を含めて2名。(志望者さんは5-6名いました)

「任意」というので合否には響かないとは思いますが、やはり顔を出してご挨拶するというのはやはり一定の意味を持つのではないかと思いました🙄

考えさせられますね。

・・・

というわけで研究室見学の体験を書いてみました。他にも院試説明会自体がオンライン開催になるなど異例の変更が続きましたが、社会人で働きながらの準備でもあったので、有難い面も多々ありました。

例年の院試準備と比べると色々な情報量が少ない環境でしたが、「やる人は粛々とやっている」という感覚になる瞬間も多くあり、静かに燃えたのも確かです。笑

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