【2019年】イギリスで3回のIELTS受験を終えたアラサーの見聞録

LIFE

これまでイギリスでIELTSを3回受験しました。

日本で受験したときは、イギリスの大学院進学のためにスコアが必要な旦那さんと一緒に。

そのとき私は目標のスコアも決めずに臨んで、散々でした。アカデミックのお作法に欠ける力任せの解答ばかりしていたので、もちろんスコアは伸びず。

 

イギリスに来てからは、具体的な目標を決めて取り組んでいます。

現在は、自分の大学院進学と奨学金取得に必要なスコアが具体的なゴールです。

 

「客観的な自分の実力が知りたい」「英語の環境にいるし、日本にいたときよりはスコアあがったんじゃない」とかぼんやり思って受験した自分を小突きたいです。…そのせいで3回も受けることになってしまったので。

IELTSはまずは型を押さえ、試験を想定した時間内でこなす練習を重ね、当日は最大集中できる緊張状態にもっていかないと希望のスコアには届きません。

きちんと練習した人が高いスコアを取れる正当なテストである一方で、WritingやSpeakingのテーマは運もあるので、このあたりの偶発的な要素も合わせてスポーツに似ていると思ったりもします。

 

今回は2019年11月に受けた最新のIELTS試験について振り返ってみたいと思います。

私はリーズ会場で受験したので、他の受験会場では状況が変わることも多々あると思います。そのため、雰囲気をつかむ程度の参考になれば幸いです。

社会人5年目で30歳を前にして、ピチピチの学生に混じって受験してきたわけですが…最後に自分への戒めの意味を込めて英語学習について思うところを書いています。こちらはIELTSレポートとは離れてしまいます。

1. 試験開始までの様子 人間観察しつつ緊張を高める…これは修行

試験開始は午前10時。ただ、午前8時30分から受付開始で、9時30分までにIDチェックを済ませないと試験が受けられない仕組みです。

イギリスの電車遅延は日常茶飯事なので、余裕をもって8時45分ごろには試験会場に到着していました。

 

会場につくと、コート、カバン類をすべて荷物部屋においてID (パスポートまたはBRPカード)、水のみを持って、IDチェックに進むように指示があります。

そのあと流れるように本人確認の写真撮影と指紋認証です。このあたりは日本と変わりませんね。

 

ちなみに試験監督の方はリーズで受けた3回ともほとんど同じ顔ぶれでした。会場リーダーを含め5人ほど。日本は英検の主催で、試験監督は派遣アルバイトの方なので毎回違うことが多いですが、イギリスは地域ごとに固定の運営メンバーが決まっているのかもしれません。

IDチェックをしてくれるご婦人方は優しい雰囲気です。この日も写真撮影で“Don’t smile, please.” と言われている受験生を見て、ころころ笑っていました。ちなみにリーダーの男性は不正防止の注意はピシャっと言いますが、試験がはじまる前はだいたい口笛を吹いています。

 

さて、写真撮影まで一連の受付が終わってもまだ午前9時

ここからの約1時間は、精神統一しながらひたすらに待ちます。

 

周りを見渡すと、チャイニーズの学生が7割、その他アジアン1割、残りはアフリカ系、中東系、英語圏以外のヨーロピアンの受験者といった感じです。リーズ会場で日本人の受験者の方に会ったことはほとんどありません。

会場では友人同士と思しき複数人がおしゃべりしていますが、心を無にして前方に流れるスライドのインストラクションを眺めておきます。

 

 

この待ち時間でも、試験監督による不正摘発は続きます。

真っ黒のタンブラーで飲み物を持参していた受験者が思いっきり注意され、グラスで水を支給されていました。(今回の会場はホテルの会議場でした)

うっかり蹴とばしたら二次災害が起きそうな足元にグラスが置かれ、周囲に別の緊張が走ります。

ちなみにリーズの一部会場では、50pでラベル無しの水のボトルが買えたこともありました。

 

…早く試験始まれ。

 

そのあと「鉛筆が少ない、尖がっていない」という不満も一通り飛び交ったところで、やっと午前9時40分

口笛リーダーによる試験のインストラクションに続いて、問題と解答用紙の配布がはじまりました。

 

リーズ会場は社会人の受験者が少ない気がします。

そのせいか、試験開始前から色々な事象が起こりますが、心に平穏を保って、開始前の集中力を高めます。

2. 各セクションの出題内容と気を付けた点

2-1. Listening

試験の一番はじめで、一度しか音声が流れないセクション。いつも何かとしくじるので最大集中です。

それらしいワードがひっかけで聞こえてきますし、そのワードを含む選択肢も見事に問題冊子に載っているので気を付けないといけません。会場だと、ひっかけワードが聞こえた瞬間、周囲の受験者がメモするカリカリ音が響くので惑わされたりします…

 

Part1は定番の数字、地名の聞き取りを含む求人広告に関するもの。Part1は2-3はラジオ放送の内容、災害対策をテーマにした会話が流れ、書き取りを含む問題。最後は長めの説明を聞いてすべて選択肢で答えるものでした。香水のボトルが展示してある博物館の歴史に関する説明でした。

 

Part2の中盤あたりで、各キーワードに合う説明をA~Dの選択肢から選んで組み合わせて答える設問がありますが、恥ずかしながらいつもそこで引っ掛かります。

ひっかけワードがこれでもかと盛り込まれていてどっちともとれるものがあるので、最後は消去法で決めきるというやつです。今回も微妙だったかもしれない…

2-2. Reading

60分で大問を3つ解ききらないといけないので、Readingは時間配分こそ肝というのは周知の事実かと思います。

これまでイギリスで受けたIELTSのReadingテーマは宇宙開発、ケニアの国立公園における密猟対策、クジラの牙・象牙の活用の歴史など馴染みのない内容が多く、語彙不足に苦しみました。

今回は、農業の歴史、イギリスの子どもの運動習慣に対する提言、多言語企業のマネジメントに関する対応策の3つでした。比較的易しいテーマだったので助かりました。

ちなみに今回だけだったのか定かではないのですが、2つ目のReadingのインストラクションに「最低でも20分以上、 Part2に時間をかけること」という旨が書いてあり、試験中に時間配分を少し変えることにしました。確かにいつもはPart3が一番ややこしいですが、今回はPart2の方が込み入っていたかもしれません。

 

練習のときから気を付けているのは2つで、①集中力が高いうちに長文のPart3から解くこと、②問題文を先読みして「穴埋め」や要約問題はパラグラフを読みながら並行して解くことです。YouTubeの解説動画などでもよく言われるありがちな方法ですよね。

読みながらパラグラフの要約を簡単にメモするというやり方も試したのですが、私は効果があまりなかったです。問題で聞かれていることにストレートに答えながら常に時間短縮をして読み切るというやり方が、今のところ一番合っています。

 

スコアが気になる…今回あまり伸びなかったら結構へこみます。笑

2-3. Writing

前回はTask1で「2つの絵を見て状況比較を論ぜよ」という変化球の課題だったので困惑しましたが、今回はスタンダードな折れ線グラフでした。

Task2のテーマも昔と現代の子どもの遊び方に関する問題で書きやすかったです。こんな出題だったと思います。

Some people agree that the modern children’s games are less valuable to gain various range of skills than that of the children in the old days.

To what extent do you agree or disagree?

childrenをはじめとしたパラフレーズ、various range of skillsをどう定義して論理的に述べるか、後半パラグラフで反対意見も入れたうえで自分の意見をサポートできるかが構成のポイントになりそうです。

もっと意図的に難易度の高い単語を入れるべきだったという反省も残ります…うーん、スコアにどう響くか。

 

ちなみに過去受験したTask2のテーマを振り返ると、

「犯罪と教育の関連性 / 再犯予防を目的とした教育の意義」

Study shows that many criminals have a low level education. For this reason, some people believe that the best way to reduce crime is to educate people in prison, so that they can get a job when they leave prison. Do you agree or disagree?
「就職率と高等教育の関連性」
In some countries, the unemployment is high, therefore some people think children should study only primary education and not secondary education as because they cannot find jobs in the future. To what extent do you agree or disagree.

という内容でした。

個人的には3回ともBBCなどで日々時事問題として取り上げられるような現実的なお題だった気がします。普段からこのようなテーマに慣れておく、ボキャブラリーを増やしておくという勉強法が効果的かもしれません。

 

ちなみに直近のIELTS Writingのテーマが分かりやすくこちらのサイトにまとまっていて試験対策に活用していました。すべての出題内容を網羅しているわけではないようですが、テーマの傾向が分かるので便利です。

2024 IELTS Academic Writing Task 1 (Chart) With Answers
IELTS academic writing task 1 questions, like chart or table questions, from recent test takers, we link questions by topic and provide some questions sample an...

 

また、Writingの時間配分は40分近くをTask2にかけて、15分でTask1を終えて、最後全体を見直しという進め方がしっくり来ています。

2-4. Speaking

指定時間の最低30分前には、午後の受付を済ませるように指示されました。大体早めに試験が進むからという理由です。実際に、これまでの3回とも指定時間の15分くらい前には呼ばれて入室しました。

 

最初の質問は住んでいる地域に関するもの。今後その街が変わってほしいかという質問が続きました。その後、紅茶とコーヒーの習慣について、友人関係について数問ずつ答えた後で、1-2分のスピーチに移りました。

今回は「面白かった話」(interesting story)について。むしろ英語力以外のトーク力が問われているんじゃないかというこのお題…日本の営業時代にお客さんから聞いた話をして、ややスベりながら回答終了。

 

最後のGeneral Topicsは会話・コミュニケーションに関するテーマで

・プレゼンテーションで緊張してしまう人がいる理由

・対面と電話の会話の違い

・男性と女性のコミュニケーションの違い

・女性から男性へ話す際のコミュニケーションの特徴

について聞かれました。

 

次の質問に移る際に、話過ぎそうになると「もういいよ」とジェスチャーをしてくれたり、比較的ほほえみながら聞いてくれたのが有難かったです。

 

余談ですが会場を出た後、同じ時間にSpeakingを終えた他の受験者の女性から声を掛けられ、Topicsについて話しました。彼女は、香水に関する質問、ウォータースポーツについて聞かれた後、Water transportationについて聞かれたとのこと。えー…船とかヨットとか? 住環境としての役割とか環境問題なんかと絡めると良いのでしょうか。どちらにせよ、やりづらいお題!

お互いに「またIELTS会場で再会しないといいですね~」と言いながら別れ、こうして私の3回目のイギリスIELTS受験は幕を閉じました。

3. 「IELTS、何それ?」と言われてアラサーの私が思ったこと

ここからはイギリスでIELTSを受験してみて、英語学習について考えたことです。完全なる余談です。

先日驚いたことがありました。フランス、ドイツなど他の欧州圏出身の同僚のほとんどに「IELTS、何それ?」と言われてしまったのです。自分を奮い立たせて試験対策をしていた時期だったのでその言葉にひゅるひゅると魂が抜けそうになったことを覚えています。そして同時に、彼らから「何のためにスコアが必要なの?」と聞かれました。次のキャリアにどう活かすつもりか、という質問でした。

IELTSって誰でも知っているかと思いきや、進学、就職にあたってこれまでIELTSには一切ご縁がなかったという人も多いんですね。

ネイティブだったらIELTSに時間もお金もかける必要ないもんなとか、第二言語だとしてもバリバリに英語できるような環境で育ったのが羨ましい、という気持ちが僻みっぽくふつふつ湧いてしまい…

あるとき、フランス出身の同僚に「母国語と英語の文法が似てると勉強しやすいんじゃないの?」と聞いたことがありました。そのとき「そんなことない。英語ができないと就職できないから頑張って勉強してきた。日本人とはその危機感が違う。」とピシャリと言われたのを思い出します。

通じない和製英語に溢れている鎖国状態の日本よりよっぽど良い環境だとは思いますが、確かに一理あるなと。

 

一方で、あるアンゴラ出身の同僚はスペイン語、ポルトガル語、フランス語、アンゴラ国民言語も話す正真正銘のマルチリンガルですが、未だに発音があっているか、文法が間違っていないかと気になると言います。でも彼女が話す英語はまわりのイギリス人よりもよっぽど綺麗で、流暢で、明瞭で…艶やかです。

彼女はすごく努力してきたんだろうな…

 

こんな風にそれぞれの環境で英語を習得してきた人たちと話してみて、「いいな」とか「羨ましい」と思っているだけで英語が上達するわけでもなく、これまでの自分の人生を変えられるわけでもないと、当たり前のことながら思うことが増えました。

 

「何のためにスコアが必要なの?」という言葉もグサっと来ました。

目的ではなく手段と分かっていながら、自分のためと心から納得できないと、精神的にも英語学習は続きません。さらに、IELTSは金銭的負担もあるのでダブルパンチです。

社会人になってからというのも、英語無しでも稼いでいける環境を知ってしまったのでなおさら「危機感」「目的意識」は相当な覚悟がないと持ち続けられないと思っています。

自分の意志で努力して目標を達成すること怠惰になっていたので、気を引き締めないと…

 

つらつらと書いてしまいましたが、2週間後にIELTSのスコアが出ても私の英語学習は終わらないんだろうなと言い聞かせている次第です。

 

やるしかないなぁ…

 

スコアが出たらまた振り返って、目標設定をしたいと思います☺︎

 

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