【体験談】COVID-19 イギリスからのギリギリ帰国レポート

LIFE

1. はじめに

早いものでイギリスから帰国して4ヵ月。前回の投稿からかなり時間が空いてしまいました…

この4ヵ月、コロナウイルスの影響であらゆることの不確実性が増す中、自分から情報発信をすることに抵抗がありしばらくブログを更新するのに気が重い日々を過ごしていました。一方で、Twitterでつながっている方の近況を聞き、知人・家族と話す中で、このような状況でも渡英を目指す方がいること、海外でキャリアを築いていく覚悟、夢を諦めないことの大切さに改めて気づくことができました。

beforeコロナの頃、当たり前に経験したことを伝えることにどれだけ意味があるのか?

自分自身が次のキャリアを模索している中で役に立つ情報があるのか?

そう思えば思うほど情報発信することに迷いが生じてしまいましたが、withコロナの今だからこそ当時を振り返ることで、次のステップに向かうひとつの原動力になるのではないかと考えられるようになりました。

このブログはこれまで通り、個人的な体験談の域を出ないものですが…これから海外での生活、キャリアを目指す方にとって小さなヒントになればという思いでブログ再開をすることに決めました。「リアルな体験談に基づいた他のサイトにない情報」「楽しいことも、苦労したことも赤裸々に」そして「読者の方の“選択”にお役に立てるように」が相変わらずのモットーです。

今後もゆるりとお楽しみください!

2. 2020年3月 ~ロックダウン直後から帰国日まで~

2020年3月、アジアを中心にコロナウイルスが猛威をふるっていることは職場でも話題に。

でもどこか他人事という感は否めず。誰かが咳込んだら「コロナに気をつけろよ~」なんて冗談を言っている人もいました。(そんな冗談言うもんじゃない、ほんと)

そんな私たちの会社が事の深刻さに気付いたのは(恥ずかしながら)ビジネスの異変を通してでした。フランス、イタリア、日本などの各国政府の方針発表を受けて、次々舞い込む欧州のクライアントの休業判断や将来のビジネスの不安を耳にしたことではじめて、どうやらただ事ではないということが分かってきたというわけ。

勤めていた会社でもイギリス政府がロックダウン宣言を出してもおかしくない状況だからということで、いつ在宅勤務に切り替わってもいいように「毎日PCを持ち帰るように」というガイドが出されました。

自転車通勤していた私は、終業後、オフィスの駐輪場でバイク仲間と「毎日PC持って帰るの大変だねー荷物になるね」と言いながら「また明日ねー!」と挨拶したのを覚えています。

でもこれが最後の同僚との挨拶。

ハグもできず、対面で言葉を交わすことなく帰国になるなんて、このとき思ってもみなかった…

これが3月16日、月曜日のこと。

深夜のジョン・ボリス首相の宣言でイギリスはロックダウンへ。翌17日から在宅勤務が強く奨励されました。毎朝の健康報告が求められるようになり、あっという間にオンライン業務に切り替わりました。

それから日本帰国直前の2週間、

オンラインで進む業務、いつこの生活が終わるか分からない不安、

ロックダウン下でゴーストタウンのようになった街で、

最低限の日用品の買い出しで週に一度スーパーに行く程度の生活。

じりじりとHPを奪われる感じ。

コロナに関係なく3月末退社、日本へ帰国という予定だったけど、あまりに想定外のYMS生活の終わり方に呆然としていた日々でした。

3. 2020年3月30日① ~帰国日に職を失うという衝撃~

イギリス生活の最終日。この日はお昼過ぎに家を出て、マンチェスター空港周辺のホテルで前泊。翌ロンドンヒースロー空港へ向かい、そこから日本へ帰国するというスケジュールでした。

マンチェスター空港からの便に乗ってロンドンへ脱出することを第一にという思いから、マンチェスター空港近くには早めに着くというプランにしていました。コロナが電車の突然の運休、遅延にも影響する可能性があることをまわりの人から聞いていたので、念のため。

その日は、仕事納めということでお昼の出発までギリギリまで在宅で業務をすることにしていました。

…実はイギリス現地のデジタルマーケティング企業で対日本市場マーケチームの立ち上げを担当した私は、帰国後も日本からのリモートワークの許可が出ており、このまま会社に籍を置いたまま働き続けることになっていたのです。

「YMSで出会った企業と、海を越えてスーパーフレキシブルワークができる。最高!!!」

なんて浮かれぽんちでした。

今思えばコロナ禍の孤独な業務の心の支えになっていたのはこの特別オファーがあったからだと思います。

約1年半のYMS生活の荷物をまとめた大きなスーツケースの横で、その日の朝もいつもと変わらず業務開始。

すると、CEOと1st / 2nd マネージャーから突然のオンラインミーティングの依頼が。

「怪しい気配がする…」咄嗟に思いました。

そしてミーティング開口一番、CEOから

「本当に申し訳ない。コロナの影響で(担当)クライアントのプロジェクトがペンディングになった。再開の見通しが立てられないから一度、日本からのリモートワークの件は白紙にさせてほしい。」

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「え?!?!?!?!?!」

というわけで、私はイギリスの家を出る2時間前に無職になりました。笑 (当時は全然笑えない)

その1時間後、2ndマネージャーが私の家の前まで来て、平謝り。お互いうっすら涙を浮かべながら別れの挨拶をしました。そして日本へ持って帰るはずだったPC類を彼女に預けて、あっという間にニート。

マネージャーの車が走り去るのを見ながら、「海外企業で働きながら日本でフルリモート!!!」と胸躍らせていた夢がガラガラと音を立てて崩れていく気がしました。

信じられないですよね…コロナで職を失うというのは本当にある話。

 

でもこれはまだ、帰国までのトラブルの序章に過ぎなかったのです。

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